Knowledgeそこが知りたい:データベース変換

データベース(DB)のマイグレーション (オープン化)

主な検討事項
 1.文字コードと照合順序
  - 移行元と移行先の文字コード(例:EBCDICからUTF-8やSJIS)や照合順序の違いが与える影響を確認
  - 特に、データ並び順や大小比較が変化する場合(数字と英・カナ文字の順序相違)、アプリケーションへの影響を最小化するための対策が必要
 2.データ型の対応
  - 移行先DBでサポートされるデータ型を確認し、互換性のないデータ型が存在する場合の代替手段を検討
 3.性能とスケーラビリティ
  - 大規模データの取り扱いや、将来的なデータ量増加への対応策(分散DB、複数インスタンス運用の可能性など)

Caravel™変換サービスの実績としては、以下のDBが主に採用されています。
 ・DB2: エンタープライズ向け環境で多用、移行実績多
 ・Oracle: エンタープライズ向け環境で多用
 ・SQL Server: Windowsベースのシステムで広く利用
 ・PostgreSQL: オープンソースで柔軟性が高い

メインフレームのDB DB2/IMS DB/ADABAS/VSAM
オープン環境 Linux/WindowsのDB DB2/ORACLEE/PostgreSQL/SQL Server

Javaによるデータベースアクセス:DAOの活用

Caravel™ Converterでは、移行後のデータベース操作を標準化するために、**DAO(Data Access Object)**を採用しています。

DAOのメリット
 1.保守性の向上
  ・DB操作をDAOクラスに集約し、ビジネスロジックとDBロジックを分離
  ・DB仕様変更が発生しても、DAO内の修正で対応可能
 2.O/Rマッピングの活用
  ・HibernateやMyBatisなどのフレームワークを利用し、DBアクセス部分をDBテーブルのクラスに集約
   このクラスにはDBテーブルのアクセスパターンのSQL文とメソッドが記述されます。
  ・オブジェクトへのデータ取得や永続化を透過的に実行

Caravel™Converterでは、ホストコンピュータのSAM(QSAM)ファイルに対してもDBと同じようなDAOの概念と類似した構造への変換も対応しています。

DX推進・加速の第一歩としてのマイグレーション

データベースのオープン化は、DX推進の出発点となります。以下の点で業務効率化や柔軟性向上に寄与します。
主な効果
 1.業務部門向けのDB提供
  ・カスタマイズされたDB VIEWを生成し、業務ユーザーが直接利用可能
 2.ETLツールとの連携
  ・ETL(Extract, Transform, Load)ツールを活用し、データの抽出・変換・読み込みを自動化
  ・日本市場特有の漢字コード対応を考慮した国産ETLツールで、バッチ実行と対話実行をサポートした製品を推奨
 3.ノーコード/ローコードツールの活用
  ・業務部門による迅速なアプリケーション開発を支援
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進・加速のための、第一歩としてのマイグレーション

SAMファイルの変換について

Caravel™ Converterのデータ変換方法
Caravel™ Converterの変換では、ファイル毎にどのような形式に移行するかを指定できます。
SAMファイルの移行

Caravel™ Expressのデータ変換方法
Caravel™ Expressの場合には、変換先はEBCDIC FILE(バイナリファイル)になります。

SAMファイルを使用したバッチ処理
既存のバッチジョブで、サードパーティ製のファイル操作ユーティリティソフトやお客様独自開発のファイル操作ユーティリティをご利用していた場合には、その代替え策として国産のETLツールを導入される事をご提案しております。
ETLツールの導入により、オープン化で提供されない機能の代替えや、開発テスト時のデータ作成効率化、特定DBの業務部門への解放などのメリットが得られます。
大量データを取り扱う場合には、SORT処理のパフォーマンスの観点から、サードパーティ製のSORT(SyncSortやCoSort)の導入もご提案しております。

詳細については、お問い合わせください。

データベース変換:FAQ